『深罪の三重奏』を聴いて

Vシネクスト『仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏』

を観て帰ってきたこの瞬間の余韻を残すためのページです。

※完全ネタバレ

 

 

 

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号泣だった...
買い物とかも出来ず真っ直ぐ家帰った...まだ茫然としてる

まともな文章書ける状態じゃないからランダムに記すけどまあいいでしょう...

 

⚫︎それでも想う強さ

結菜と過ごした時間が偽りだったと分かっても、賢人は結菜を救うために剣を振るった。そして結菜の中にも賢人への想いが生まれていた。

間宮が復讐のために飛羽真に寄り添っていたとしても、間宮の言葉は飛羽真の心を強くした。

何も言えなくたって陸には飛羽真が大切だった。間宮にだって飛羽真へ想いが残っていた。

誰もかも忘れてしまっても倫太郎は大切な人達のために剣を振るった。剣士を消そうとした倫太郎の父も倫太郎を息子として抱き締めた。

表層に惑わされず最後まで人を想う強さや、家族という繋がりの根底にある愛を優しく見せつけられた作品だった。

 

⚫︎陸

陸がいよいよお父さん!って言えそうになってるところからガチ号泣だった。

心の中では飛羽真に貰ってきたものがちゃんとあるのにどうしても発声出来ない、あの日のトラウマで身体が動かない、そのもどかしさをずっと見守ってきたからこそ、陸の声がやっと声になったあの瞬間はもう泣くしかなかった。

 

⚫︎深罪

「戦いの犠牲者」という仮面ライダー共通の闇(Vシネクローズが印象的)をセイバーで突くかと意外だったけど、ビジュアルイメージのエグさでより意表をつかれてだいぶやられた。

血塗れの手がブレイズのボディに絡み付く幻覚が、仮面ライダーという存在を根本から問い直すような衝撃的な画であれは忘れられないと思う。

 

⚫︎抜刀

3人とも抜刀に至るまでの痛烈な過程と覚悟が物凄いから抜刀が本当に今まで見た中で一番格好良かった。

単純に8年後のビジュアルが良すぎて抜刀もより一層キマってたのもある。特に賢人はシチュエーションも相まって全てがかっこよすぎて頭に残ってる。

 

⚫︎アクション

アラビアーナナイト、、、、完璧!

タテガミ氷獣戦記で幻覚の犠牲者達を振り切って背負うブレイズが最高にかっこよかった。

陸のために躊躇い続けてきたけどついに抜刀した飛羽真が炎と剣を象徴する姿に変身するのがアアーという感じで、久々に見る初期フォームでファルシオンを圧倒していくのがすごく胸熱だった。

 

⚫︎ファルシオン

ホラーな撮り方で急に出てくるの怖すぎ。色合いも絶妙に怖い。存在を消す能力も契約の代償も怖い。無銘剣とんでもねえ。

分かりやすい新たな敵が現れたり再興したりとかではなく、犠牲者を想うあまりに生まれた恨みや正義そのもののある意味での弱さにつけ込む形で偏在する脅威、というものを敵役に置くのが新感覚で良かった。

 

⚫︎ミステリー

冒頭の断片的で不安定な映像の繋ぎがこの映画の雰囲気を一気に作ってくれてワクワク...ではないけどなんか「気分」が出来て良かった。芽依ちゃんが急に帰ったところが本当に気味悪くてやばかった。

仮面ライダーでああいう質感は見たことなかったし上堀内監督こういうこともされるんだと嬉しくなった。

 

⚫︎8年後の皆

岩斬ってる蓮かっこよすぎだろ...

眼鏡賢人くんの色気に大敗北。尾上さん教師になってて泣きそうだった。大秦寺さんの8年後めっちゃ分かる。神代兄妹あのまんま磨きがかって眩い。ユーリとソフィア様一ミリも変わらん安心感。芽依ちゃん本当に若々しいけど倫太郎が相変わらずすぎてどんまい...!

飛羽真はやっぱり物語を信じるし人を信じるし絶対に守るし飛羽真だなーと安心しつつ、陸の父として悩む中で落ち着いた男になったのも良かった。約束する!俺が決める!とは安易に言わない感じがいい。

8年後の世界を見事に表現する役者さん達の力量に拍手。これぞ1年の厚み。

 

⚫︎エンディング

放心状態の中で深愛の四重奏って出てきて何かと思ったらトリオが歌い出してくれてめちゃ嬉しかったし、芽依ちゃんが歌い始めた瞬間マジでこの曲を企画した天才に感謝した。

川津明日香さんの歌声をまた聴けるだけでも嬉しいのに彼女の歌声を最高に生かす四重奏に鳥肌が止まらない...
川津明日香さんは切実に歌手活動をしてほしい。

⚫︎逆に良かった

ロジック面が初見では理解しづらくて終盤困惑したが一回で分かるような簡単な作品じゃなくて逆に良かった。

8年後にしても本編との雰囲気の違いが強かったが、いっそ本編未見でも泣いてしまいそうな強度ある一本として完成していたのは逆に良かった。数年後にふとVシネだけ観ても楽しめるだろうし。

 

⚫︎Vシネとして

スペクターの伝説もあるから1話の時点からずっとVシネを楽しみにしてきたけど本当に期待以上で、それでもこういう作品になるとは全然想像もつかなかったから凄い。よくぞここまで振り切ってくれたと思う。

今までのライダー作品の中でも新感覚でかなり喰らった。罪をテーマに置いて容赦ない映像でタブーを抉りつつ、人が人を想い物語を作っていくというセイバーの本質を見事に変奏した傑作だった。セイバーという作品の持つ優しさを良い方向に煮詰めた素晴らしいVシネだったと思う。

 

 

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そんなこんなで珠玉のVシネに大満足した日だった。朝早くて眠かったけど観に行って本当に良かった。映画館やってて良かった。この作品を映画館で体感できて本当に良かった!

ますます上堀内監督のファンになったし福田さんが書くであろう小説も楽しみすぎる。

が、Vシネがこれで終わりだとしたら惜しい。上堀内監督の撮る緋道蓮だけでももうちょっと観ていたい...頼む...!!!!!